【お仏壇の飾り方を解説します】ご本尊とお脇掛け(浄土真宗本願寺派)

今回は、お仏壇のお飾りの仕方、特にご本尊(ほんぞん)やお脇掛け(わきがけ)について、解説をさせていただきます。

ご本尊?お脇掛け?と思った方も大丈夫です。後ほど説明いたします。

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改めて皆さん、こんにちは。僧侶の神崎修生です。
私は、福岡県糟屋郡にある信行寺(浄土真宗本願寺派)の副住職をしています。

仏教やお寺、僧侶を身近に感じていただきたいと思い、ブログや動画の配信をさせていただいています。


さて、今回の記事は、これからお仏壇を購入される方や、お飾りの仕方をきちんと知りたいという方関心のある方などにおススメの内容になっています。


意外に正式なお仏壇のお飾りの仕方は分からないものですよね。

親御さんや親戚の方、ご近所の方など、周りの方に教わっていたとしても、実は地域の風習や色々な宗派の仕方が混ざり合っていることも多いです。


この機会に是非、お仏壇のお飾りの仕方をマスターしていただければと思います。


ちなみに、今回解説するのは、浄土真宗本願寺派(本山:西本願寺、築地本願寺)の飾り方です。

他宗派の飾り方は違いますので、その点ご注意ください。

目次

  1. お仏壇とはご本尊をご安置するところ
  2. ご本尊
  3. お脇掛け
  4. ご本尊やお脇掛けをお迎えする方法
  5. 大きさや表装の種類
  6. 手を合わせる場所

お仏壇とはご本尊をご安置するところ

まずお仏壇とは、「仏」とあるようにご本尊(ごほんぞん/仏様)をご安置(あんち)し、お飾りするところです。

ですから、お仏壇を飾るということは、正確に言うとご本尊である仏様をお飾りすることになります。


ここでは言葉の伝わりやすさを考えて、ご本尊をお飾りすることをお仏壇をお飾りするとも表現しています。

ですが、正確にはご本尊(仏様)をお飾りしていることをご認識いただければと思います。

ちなみに、ご本尊をお飾りすることを、お荘厳(しょうごん)とも言います。

ご本尊

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浄土真宗のご本尊は、阿弥陀如来(あみだにょらい)という仏様です。

お仏壇の一番上段の中央にご安置されます。


ご本尊は、お仏像の場合もあれば、ご絵像(えぞう)の場合もあります。

ご絵像とは、仏様が描かれた掛け軸のことです。


「南無阿弥陀仏」(なもあみだぶつ)というお名号(みょうごう)の場合もあります。

またお名号という難しい言葉が出てきましたが、この場合は、仏様そのものや、仏様が我々を救おうと喚びかけてくださっているお徳を表すものです。

お名号に関して、詳しくはまたの機会にゆずります。


浄土真宗本願寺派においては、お仏像もご絵像もお名号も、そのいずれも同じご本尊であり区別はしていません。

お脇掛け

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お脇掛け(わきがけ)とは、ご本尊の両脇におかけする掛け軸のことです。

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ご本尊を中心にして、向かって右側には、浄土真宗の宗祖である親鸞聖人(しんらんしょうにん)をご安置します。

もしくは「帰命盡十方無碍光如来」(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)という十字名号(じゅうじみょうごう)をご安置する場合もあります。

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向かって左側には、本願寺第八代のご門主(もんしゅ)である蓮如上人(れんにょしょうにん)ご安置します。

もしくは「南無不可思議光如来」(なもふかしぎこうにょらい)という九字名号(くじみょうごう)をご安置する場合もあります。


聞いたことのない難しい言葉が続いているかと思いますが、今回は意味まで覚えていただく必要はありません。

十字名号、九字名号ともに、「南無阿弥陀仏」という六字名号(ろくじみょうごう)と同じ意味で、ご本尊である阿弥陀如来そのものや、そのお徳を示したものです。


ご法事などでご自宅に伺った時に、お脇掛けがご安置されていない場合も見受けられます。

その場合は、お迎えすることをお勧めします。


お迎えという言葉は、仏様や宗祖などを敬って使っている言葉です。

お取り寄せするというと分かりやすいでしょうか。


お仏壇とは、亡き大切な方をご縁としながら、毎日のように手を合わせる場所ですから、なるべくきちんとお飾りをすると良いでしょう。

(お仏壇が小さい場合は、お脇掛けがご安置できない場合もあります)


お仏壇を購入されて年月が経っているご家庭では、ご本尊などのお掛け軸が古くなり、めくれあがっている場合もあります。

気になられる場合は、新たにお迎えされても良いかもしれません。

ご本尊やお脇掛けをお迎えする方法

ご本尊やお脇掛けは、ご本山(ほんざん)である西本願寺よりお迎え(お取り寄せ)ができます。

直接ではなく、一旦ご縁のある浄土真宗本願寺派のお寺さんにご相談されると良いでしょう。

お取り寄せをしてくださるお寺さんは多いと思います。

お寺さんでされていない場合は、お仏壇屋さんを通してしていただくことも良いと思います。


なお、信行寺においては、信行寺を通じて西本願寺からお迎えをさせていただいております。

西本願寺からお迎えしたご本尊やお脇掛けには、掛け軸の裏側に正式な御印や裏書きがされています。

大きさや表装の種類

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本尊やお脇掛けですが、お仏壇の大きさによってサイズに違いがあります。

二十代や三十代といった大きさの単位がありますが、どのサイズのものが適切か、お仏壇をご購入される仏具店の方にご確認いただくと確実です。

また、ご本尊はすでにご安置されていて、お脇掛けのみをお迎えされる場合は、ご本尊がお掛け軸のサイズをはかっていただければ大きさが分かります。

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表装(掛け軸のまわりの額部分のこと)は、2020年現在4種類あります。

表装の種類によってお値段が変わりますので、これもご相談してみてください。

ご本尊がすでにご安置されている場合には、その表装に合わせることをおすすめいたします。

手を合わせる場所

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お仏壇は、お寺の本堂の内陣と言われる部分をコンパクトに表現したものとも言われます。

ご本尊をご自宅に迎えるということは、ご自宅ご家庭の中で、手が合わさるところができたということです。

お仏壇がないと、日常生活の中で、手を合わせる機会もなかなかないことかと思います。


多くの方が、身近な方を亡くされた時に、お仏壇をご購入されたことでしょう。

大切な方をご縁として、仏様がよりどころとなるような仏縁が育まれると幸いです。

今回は、お仏壇のお飾りの仕方、特にご本尊(ほんぞん)やお脇掛け(わきがけ)について、解説させていただきました。

またの機会に、ご本尊やお脇掛け以外の部分のお飾りの仕方についても解説したいと思います。


最後までご覧いただきありがとうございます。

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合掌
福岡県糟屋郡 信行寺(浄土真宗本願寺派)
神崎修生

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