前回から、「ご縁を喜んでいただけるお寺を目指して」というテーマで、信行寺の取り組みについてご紹介をさせていただいております。
今回は、その続きのお話をさせていただきます。
振り返ってみますと、前回は
・お寺を取り巻く環境は大きく変化していること。
・その中で信行寺では、「ご縁を喜んでいただけるお寺でありたい」という理念のもと、改革改善に取り組んでいること。
・特に、「仏教」「仏事」「寺院運営」という「三つの柱」を中心に据えて活動をしていること。
などについて、お話をいたしました。
そして前回は、「仏事」の取り組みについて、ご紹介をいたしましたので、今回は「仏教」の取り組みについて、ご紹介をさせていただきます。
現代のお寺はどのような状況にあり、どのようなことがおこなわれているのか。
そうしたことを知っていただく、一つのきっかけになれば嬉しく思います。
また、どんなご感想をもたれたかなども、ぜひお聞かせいただけると嬉しいです。
▼この内容は動画でもご覧いただけます
◆仏教の取り組み
それでは、信行寺の「三つの柱」のうちの一つである「仏教」の取り組みについて、ご紹介いたします。
「仏教」に関する活動とは、例えば私どもの宗派でいえば、浄土真宗の教え、お念仏の教えに触れる場を開いています。
◆法要の改善

信行寺での「仏教」の取り組みとして、「法要の改善」をおこなっています。
お寺では、年間を通して様々な行事があります。
その中でも特に、法要はお寺の中核的行事であり、最も労力もかかります。
一方で、信行寺ではどの法要も内容が似通ってしまっているという課題を感じていました。他のお寺様でもそうかもしれません。
そこで、それぞれの法要の目的や内容について、信行寺内で話し合いを重ね、改善に取り組んでいます。
「来てくださった方に、喜んでいただける法要にしよう」
「お参りをしたいと思っていただける法要にしよう」
そのような思いで、「法要の改善」を進めています。
一例として、「報恩講法要」では、音楽や落語などの楽しみの要素を加えています。
昨年は、僧侶でバイオリニストでもある井石弾さんをお招きし、法話に加えて、バイオリンとピアノの生演奏をしていただきました。
演奏の素晴らしさに加え、法話の内容も大変好評で、ご参詣の方々から多くの喜びの声をいただきました。
これはあくまで一例ではありますが、それぞれの法要の意味を大切にしながら、内容に工夫を加えることで、より多くの方にお参りいただける場にしていきたいと考えています。
そして、「来てよかった」「またお参りしたい」と思っていただけるような法要を目指し、これからも改善を続けていきます。

今年(令和8年)の報恩講では、僧侶で落語家の露の五九洛(つゆのごくらく)さんをお招きし、法話や仏教落語をおこなっていただく予定です。
どなたさまもお参りいただけますので、ぜひお参りくださいませ。
11月27日(金)午後1時30分からの開式です。
◆朝参り

「仏教」の取り組みとして、他にも「朝参り」をおこなっています。
「朝参り」は、毎月第一日曜日の午前8時から、約30分間おこなっています。
内容は、「読経」と「法話」に加え、身体をほぐす「ストレッチ」も取り入れています。
この朝参りは、「お寺×健康」「お寺×地域」の取り組みでもあります。
門信徒や地域の方々が、一日・一カ月のはじまりにお寺にお参りをし、清々しい気持ちで、日々を健康に過ごしていただくきっかけにしていただきたい。
そんな願いのもとおこなっています。
浄土真宗において、朝のお寺でのお参りは、晨朝勤行(じんじょうごんぎょう)や、お晨朝(おじんじょう)と言われますが、お寺とご縁のない方にとっては、その名称だけでは内容や意味が伝わりにくい面もあります。
そこで信行寺では、「朝参り」という親しみやすい名称にし、そこに健康や地域という要素を加えました。
お寺にお参りすると、お経をとなえ、身体を動かして、仏教のお話を聞き、参詣者同士で交流もできる。
そのような場として、お寺を地域に開くとよいのではと考え、「朝参り」を続けています。
人生100年時代、健康に生きたいと多くの方が願われている中、また地域のつながりが希薄になりつつある中で、お寺がおこなうことに意義のある取り組みではないかと感じています。
「朝参り」には、門信徒の常連の方々に加え、YoutubeやSNSを通じてお参りされる方もあり、毎月30名ほどの方がご参加くださっています。
◆オンラインお寺参り

また、オンラインでもお寺とご縁をもっていただける機会を用意しています。
それが、「オンラインお寺参り」です。
配信用のパソコンやカメラを設置し、阿弥陀様を背景に、信行寺から配信をしています。
毎月末の土曜日の午前7時から、約30分おこなっています。
配信内容は、「読経」と「法話」です。
ご参加者は、パソコンやスマートフォンを通して、ご自宅からお参りくださっています。
この取り組みを始めたきっかけはコロナ禍でしたが、今では主にご遠方の方が継続的に参加してくださる場となっています。
参加者が徐々に増え、今では毎回30名から40名ほどの方がご参加くださっています。
東京、千葉、神奈川、新潟、京都、大阪、広島、長崎など、遠方のため、信行寺に直接お参りすることが難しい方でも、オンラインであればお参りができるということで、ご参加をくださっています。
ベトナムで単身赴任をされている方や、高校生の方も参加されています。
ご参加者からは、
「オンラインで場を開いてくださるから、こうしてお寺さんとつながることができて嬉しいです」
「いつか直接信行寺さんにお参りしたいと思っています」
といったお声をいただいています。

「法要の改善」や「朝参り」「オンラインお寺参り」など、これらの取り組みに共通しているのは、時代に合わせて、内容や位置づけ、開催方法などを見直し、少しずつリニューアルしていることです。
もともと価値のあるものでも、時代の変化とともに、その価値が伝わりにくくなることがあります。
価値があるにも関わらず、その価値が伝わらずにすたれてしまうのは、とてももったいないことだと感じています。
だからこそ、現代の方々にもその価値や魅力を感じていただけるように、内容や位置づけ、開催方法などを少しずつリニューアルしながら、取り組みをおこなっています。
◆キッズサンガ

また、「仏教」の取り組みとして、「キッズサンガ」という子ども会も開催しています。
地域の子ども会ではなく、信行寺単体での子ども会です。
子ども会は、昔から取り組まれているお寺様もあるかと思いますが、信行寺でも私が戻った10年ほど前から開催しています。
キッズサンガには、門信徒のお子様をはじめ、遠近各地から多くのお子様がご参加くださっています。
核家族が当たり前の現代において、仏様や先立たれた方に手を合わせる心をどのように育んでいくかも、お寺にとって大きな課題であり、取り組むべきことの一つだと思います。
実際に、「キッズサンガ」で初めて本堂に入ったというお子さんや、仏様の前で手を合わせたり、お経をとなえる経験を初めてしたというお子さんもおられます。
「キッズサンガ」を通じて、お子様やお孫様が手を合わせている姿を見て、おじい様、おばあ様世代の方々がとても喜んでくださっているのが印象的です。
「キッズサンガ」は年に数回、夏休みや冬休み、春休みなどにおこなっています。

こちらは、夏のキッズサンガの様子です。
夏は、バーベキューや夏祭り、花火などをしてお泊り会をしています。
嬉しいことに、ここ数年は特に参加者が多いです。
夏はお泊りもあるので、安全面の配慮から人数制限を設けています。
定員45名のところ、昨年もすぐに満員となりました。
総代や仏教婦人会の方々にもお手伝いをいただき、保護者の方も含めると、総勢100名ほどでの開催となっています。
少子化が進む現代においても、子どもたちやご家族に喜んでいただける場をつくることで、お参りの方が増えることを実感しています。
◆最後に
いかがだったでしょうか。
信行寺では「ご縁を喜んでいただけるお寺」を目指し、「三つの柱」を中心据えて、お寺の改革と改善に取り組んでいます。
その中でも今回は、「仏教」の取り組みについて、ご紹介させていただきました。
また、ご感想もお聞かせいただけると嬉しいです。
次回は、「三つの柱」の最後の一つである「寺院運営」の取り組みについて、ご紹介させていただきます。
合掌
福岡県糟屋郡 信行寺(浄土真宗本願寺派)
神崎修生
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