はじめての浄土真宗~仏教の始まり。仏教とは、お経とは、簡単に解説します

皆様、こんにちは。

本日は、「はじめての浄土真宗。仏教の誕生編」というテーマで、仏教についてなるべく分かりやすくお話をさせていただきます。

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浄土真宗は、日本仏教の一宗派になります。

仏教は、約2500年の歴史があり、日本に伝わってからも1500年ほどの歴史があります。浄土真宗がいきなり生まれたわけではなく、そこまで紡がれてきたものがあるからこそ、浄土真宗があるといってもよいかと思います。

そこで今回は、「はじめての浄土真宗」ですが、まずは仏教の誕生について、お話させていただきます。

◆仏教の誕生

仏教には、色々な宗派がありますが、もともとは今のインドやネパールから始まっています。

ここで皆様に質問です。仏教の開祖といえば、どなたでしょうか?

答えは、お釈迦様ですね。ブッダともよばれます。仏教は、今から約2500年前のお釈迦様から始まり、世界各国に広まり今にいたっています。

お釈迦様は、心身を悩み煩わせる煩悩を取り除き、安らかなさとりをひらくという仏道を説き広めた方です。多くの方から尊敬をされ、お釈迦様のもとに人が集まり、仏教の教団ができていきます。

お釈迦様は、80歳の生涯を歩まれましたが、その間、各地を旅され、お説法をなさいます。そのお説法の内容をお弟子の方々が記されたものが、現在まで伝わるお経です。

◆お経とは

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お経は、お釈迦様の説法を記したものですが、最初は当時のインドのあたりの言葉で記され、それが中国に入り漢訳され、漢字で記されるようになります。その漢訳されたお経が日本に伝わっているので、日本で読まれるお経の多くは漢文です。

ちなみに皆様、お経の種類はどれくらいあるかご存じでしょうか。

一説では、八万四千種類があるといわれます。八万四千の法門ともいわれますが、一生かかっても読み切れないほどの数でとても多いですよね。八万四千という数字は、無数にあることをあらわしています。

なぜ、それほど多くのお経があるというと、それは人には多くの悩み苦しみがあるからだといわれます。

お釈迦様は、人が抱える様々な悩みや苦しみに応じて、その対処法や解決方法を説かれました。応病与薬(おうびょうよやく)とか、対機説法(たいきせっぽう)といわれますが、病によって処方される薬が違うように、苦しみに応じた、人に応じた教えを、お釈迦様は説かれました。対機説法の機とは、人というような意味で、人に応じた説法ということです。

このお釈迦様の説法がまとめられたものがお経ですので、人の数ほど苦悩があるからこそ、多くのお経が生まれたといえます。

人は多くの悩みを抱え、苦しみを経験して生きていきます。一見悩みがなさそうな方でも、それは表情に表していないだけで、人それぞれに色々なものを背負い、抱えて生きています。お釈迦様は、生涯旅をされ、多くの人に出会い、相談に応じてご説法をなさったといいます。

◆四苦八苦、一切皆苦

さて、苦しみの話が出ましたが、我々人間はどんな苦しみを経験するでしょうか。仏教には、四苦八苦という言葉があります。

四苦とは、人が経験する代表的な四つの苦しみをあげたもので、生老病死(しょうろうびょうし)といわれます。

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生苦(しょうく)とは、生まれる苦しみ、生きている中で経験する苦しみのことです。老苦とは歳を重ねていく苦しみ、病苦とは病になる苦しみ、死苦とは亡くなっていく苦しみのことです。

四苦八苦の八苦とは、四苦にもう四つの苦しみを加えて、八つの苦しみのことを言います。

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八苦の一つは愛別離苦(あいべつりく)で、これは愛する方と別れ離れていく苦しみです。死別もここに含まれます。ちなみに、ご葬儀やご法事は、苦しみの中でも、この愛別離苦に対応したものだと言われます。

続いて、怨憎会苦(おんぞうえく)とは、自分が憎しみ嫌うような、決して会いたくない人と会わなければならない苦しみのことです。

また、求不得苦(ぐふとっく)とは、求めるものが得られない苦しみです。そして、五蘊盛苦(ごうんじょうく)とは、この肉体や精神があるからこそ生まれる苦しみで、ここまでの七苦を総称したものです。

四苦八苦とは、一般的な言葉では、非常に苦労することという意味で使われますが、実は仏教用語であり、人が経験する苦しみの代表的な四つ、八つ苦しみという意味なんですね。

もちろん、四苦八苦意外にも苦しみはありますね。様々な意見が可視化される情報化社会の中では、誹謗中傷による苦しみもあるでしょう。人に理解してもらえないという苦しみもあります。また、孤独の苦しみも大きなものだといわれます。現代は、こうした苦しみが大きなものになっているように感じますね。

このように、我々はこの世を生きる中では多くの苦しみを経験します。お釈迦様は、このことを一切皆苦(いっさいかいく)と表現なさいました。一切のあらゆるものが、みな苦である。そして仏教でいう苦とは、思い通りにならないという意味でもあります。

人間には、自分がこうありたい、これを手に入れたいという欲求がありますが、その求めるものがかなわない、求めるものと現実とが違うそのギャップに人は苦しみます。

こうした心身、心と身体を悩み煩わせる煩悩を滅し、安らかなさとりをひらく。一切皆苦の苦しみの状態から、涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)の安らかなさとりを目指す。

こうしたことが様々に説かれたものが仏教であり、それをまとめたものがお経になります。お経というと、ご葬儀やご法事でとなえるものというイメージがあるかと思いますが、このようにお経には意味があります。

そして、お寺での法要や仏教講座、子ども会などでの仏教の話は、お経にどんなことが説かれているのかがお話されています。

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お経には、様々な悩みや苦しみを抱えながらも、この世を幸せに生きてほしいという願いが込められています。

ご葬儀やご法事においてお経がとなえられ、仏教のお話がされたりするのは、それは悲しみのご縁の中でも、仏法、仏教に出遇い、仏縁をいただきつつ幸せに生きてほしいという先人の知恵でもあります。

是非、お寺にもお参りいただいて、仏教のお話に耳を傾けていただければと思います。

また、このチャンネルでも仏教のお話をしてまいりますので、チャンネル登録やSNSのフォローなどいただき、仏教のご縁にあっていただけますと幸いです。

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最後までご覧いただきありがとうございます。

合掌
福岡県糟屋郡宇美町 信行寺(浄土真宗本願寺派)
神崎修生

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