仏教用語を取り上げ、かんたんに解説していきます。今回は、「阿弥陀仏」という仏様について解説します。
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阿弥陀仏とは、仏教用語というより仏様の名前なのですが、皆様聞かれたことはあるでしょうか?阿弥陀仏とか、阿弥陀如来と言います。
日本に伝わる仏教の多くは、大乗仏教という系統の仏教です。その大乗仏教の特徴の一つは、様々な仏様がおられるということです。阿弥陀仏とか、大日如来、毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)、釈迦如来(お釈迦様)とか、様々な仏様がおられるんですね。
その様々な仏様のうちのいち仏様が、阿弥陀仏という仏様です。
また、日本仏教には様々な宗派があります。その宗派が違う大きな理由の一つは、依りどころとする仏様が違うということです。依りどころとする仏様という言葉が分かりにくければ、手を合わせる仏様、拝む仏様が違うという言葉でもいいです。
そうした依りどころとする仏様、拝む仏様が違うというのが、宗派が違う大きな理由の一つです。
様々おられる仏様の中で、特に依りどころとする仏様のことをご本尊と言います。では、阿弥陀仏をご本尊とする宗派は、主にどこがあるでしょうか。
私も所属する浄土真宗とか、浄土宗、時宗といった宗派が、阿弥陀仏をご本尊としている主な宗派です。それ以外にもありますが、浄土真宗などは、弥陀一仏というように、阿弥陀仏のみをご本尊とすることが特徴です。
宗派名に浄土とついたり、「南無阿弥陀仏」とお念仏を称える宗派は、阿弥陀仏に特にゆかりのある宗派です。
浄土真宗のお寺では、本堂の正面中央に仏様がご安置されています。その正面中央にご安置されている仏様が、ご本尊の阿弥陀仏です。
本願寺派では立像といって、立ったお姿の阿弥陀仏のお仏像がご安置されていることが多いです。それは、悩み苦しむものを今まさに救おうとするお心を表していると言われ、阿弥陀仏が立ち、一歩踏み出そうとしているお姿であるとも言われます。
このように、浄土真宗のお寺の本堂の正面中央にご安置されている仏様が、ご本尊の阿弥陀仏です。
そしてまた、お仏壇は仏様をご家庭にご安置し、お寺の本堂のようにお飾りしたものです。ですから、浄土真宗のご家庭にあるお仏壇にご安置されている仏様もまた、阿弥陀仏になります。仏壇と言いますから、仏様がご安置されているところということです。
そして、我々にはお仏壇と言うと、先に往かれた身近な方やご先祖に手を合わせる場所というイメージがあるかと思います。浄土真宗では、その先に往かれた方が、阿弥陀仏のお浄土という仏様の国に往き生まれ、仏様となられて、見護ってくださっているのではないか。そういうふうに、昔から受け止められてきました。
お仏壇は、先に往かれた方を思う場所にもなりますが、それだけでなく、阿弥陀仏という仏様がご安置されている場所ということにもなるわけですね。
ちなみに、南無阿弥陀仏と書かれたお掛け軸がお仏壇にご安置されている場合も、阿弥陀仏のお仏像と同じことになりますので、問題ありません。
ちなみに、阿弥陀仏とは、どういう仏様なのでしょうか。それは、名は体を表すというように、阿弥陀という名前に特徴が表れています。
阿弥陀とは、もともと昔のインドの言葉で、アミタという言葉です。そのアミタという言葉に漢字を当てたものが、阿弥陀です。アミタとは、アミターバ、アミターユスという両方の意味があり、無量光、無量寿という意味だと言われます。
アミターバ、無量光とは、量ることのできない光をもった仏様という意味です。それは、阿弥陀仏とは、どこまでもくまなく照らし、照らさないところがない光のお徳をもった仏様であるということを表しています。
我々は日々を生きる中で、様々な悩み苦しみを抱いたり、この人生で何を大切にすれば良いのだろうかと、迷うことがあります。そうした心の闇を照らし、人生の歩んでいく方向を照らし導いてくださるような、そういう仏様であることが、この無量光という言葉に込められています。
また、アミターユス、無量寿とは、量ることのできないいのちをもった仏様という意味です。それは、過去現在未来と三世にわたり、悩み苦しむ全てのものを救い導こうと、ずっとはたらきかけ続けてくださっている仏様であるということが、無量寿という言葉に込められています。
この自分との関係でいうならば、いつも思いをかけてくださっている方がいる。それが仏様であると味わうことができます。
特に、理解者や親しくする人がいないなど、一人で心細く不安を感じるような時には、いつも思いをかけてくださっている方の存在は、とてもありがたく感じられるものでしょう。
思いをかけてくださる方がおられることで、頑張っていける。日々を生きていこうと思うことができる。そういう心に温もりを与えてくださるような存在が、阿弥陀仏という仏様であると言われます。阿弥陀仏とは、そうした無量光、無量寿の仏様であると言います。
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いかがだったでしょうか。「仏教用語解説」ということで、今回は「阿弥陀仏」について、お話をさせていただきました。仏教用語から仏教やお寺を身近に感じていただいたり、また、少しでも日々を生きるヒントや参考になれば幸いです。
なお、この内容は主に浄土真宗本願寺派の内容でお話させていただきました。
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合掌
福岡県糟屋郡 信行寺(浄土真宗本願寺派)
神崎修生
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▼次回の内容
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▼前回の内容
浄土真宗【仏教用語解説】第1回_彼岸とは | 信行寺 福岡県糟屋郡にある浄土真宗本願寺派のお寺 (shingyoji.jp)
◇参照文献:
・『浄土真宗辞典』/浄土真宗本願寺派総合研究所
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