【仏教に学ぶ】シリーズでは、身近な疑問や悩み事を、仏教に学んでみたいと思います。

今回は、【仏教に学ぶ】「不必要に怒らない三つの智慧」というテーマでお話したいと思います。

こういう悩みをお持ちの方も、おられるのではないでしょうか。

・怒りの感情をぶつけて人間関係が悪くなってしまった。
・余裕がなくてイライラしてしまう。
・子どもに怒ってばかりでごめんと思う。
・怒りやストレスが健康に悪いと感じる。
・怒ってばかりの自分が嫌だ。

つい怒って、相手に感情をぶつけてしまい、その後関係が悪くなったことはないでしょうか。私も過去に、自分に余裕がなくて、きつい言葉づかいをしてしまい、関係がぎくしゃくした経験が何度かあります。今考えると、申し訳なかったなと思います。余裕がないと怒りっぽくなってしまいますね。

また、子どもに怒ってしまい、後から寝顔を見ながらごめんねと言った経験がある方も多いのではないでしょうか。

怒りは心身の健康にも良くないですね。血圧も上がりますし、怒った後は嫌な気持ちを引きずりがちです。仕事や家庭に影響してしまうこともあります。

お釈迦様は、怒りに関して、このような言葉を遺されています。

怒らないことによって怒りにうち勝て。…落ち着いて思慮ある人は身を慎み、言葉を慎み、心を慎む。このように慎み深い人は実によく自らをまもっている。(『ダンマパダ』223、234)

怒りの感情が良くない結果をもたらすことは、先程あげたように多くあります。ですから、怒らないことは自らをまもることにもつながるのでしょうね。怒らないことによって怒りにうち勝てという、お釈迦様の言葉です。

さて、前置きが長くなりましたが、今回は「不必要に怒らない三つの智慧」という内容でお話したいと思います。

時間の関係で、三つ挙げる智慧のうちの一つの「怒りの原因を知る」ことについて、今回は見ていきます。その中でも、「怒りの原因を他に求める」「思い通りにならない時に怒る」という観点から見ていきたいと思います。

この話が、日々を安らかに過ごすようなご縁となれば幸いです。それでは、さっそく見ていきましょう。

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◆怒りの原因を他に求める

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「不必要に怒らない三つの智慧」の一つ目には、「怒りの原因を知る」ことを挙げました。その中でもまず、「怒りの原因を他に求める」という観点から見ていきましょう。

さて、怒りの原因は、大きく分けて、外的な原因と内的な原因に分けることができます。外的な原因とは、自分以外の原因ですね。内的な原因とは、自分の原因です。自分以外の出来事が原因となって、自分が怒っている場合と、自分の行いなどが原因となって、自分が怒っている場合とがあるということです。

しかし、私たちは往々にして、怒りの原因を自分以外のものに求めがちです。「あの人があんなことをするからこうなったんだ」とか。「あれがうまくいけば、こんなことにはならなかったのに」とか。物事がうまくいかなかった時などは特に、その原因を自分以外のものに求め、怒ります。

よく例として挙げる話ですが、車の運転をしている時に、前の車が遅く感じてイライラすることはありませんか。特に、自分が急いでいる時は、イライラしがちです。

「今日に限って何で前の車は遅いんだ」とか、「今の信号だったら行けたじゃないか」とか、「何で割り込ませるんだ」などと思うこともあるかもしれませんね。

しかし、そもそもこの怒りの原因は、自分の焦りが原因になっている場合も多いですね。決まった時間に目的地に辿りつけるだろうかというような焦りが、怒りの原因となっている場合です。

時間に余裕があって、焦っていない時は、前の車の速度はそれほど気にならなかったり、間に車を入れてあげるくらいの気持ちの余裕もあったりします。

ですから、この場合の怒りの原因は、時間通りに着けるだろうかという自分の焦りが原因となっていたり、また自分がもっと早く出発しなかったことが原因の場合もあるでしょう。

しかし、怒っている最中は、「自分がもっと早く出発すれば良かった」とは中々思わず、「今日に限って何で前の車は遅いんだ」というように、自分以外のことに原因を求めがちです。

このように、私たちは怒りの原因を自分以外のものに求める癖を持っています。

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怒りの原因を自分以外のものに求める癖を持っていると認識することで、私たちは自分が怒っている状況を客観的に見つめたり、後から悪かったと反省することができます。

もちろん、自分以外に原因があることもあるでしょう。理不尽なことに対しては、きちんと自分の意見を表明することも必要です。ただ、不必要な時には、あまり怒りたくはないですよね。

怒りの原因を自分以外のものに求める癖を持っていると認識し、自分が怒っているその怒りの原因がどこにあるのかと知ろうとする。そうすることで、人や物事の見方も随分と変わってきます。それが、不必要に怒らないことにもつながってきます。

◆思い通りにならない時に怒る

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次に、「怒りの原因を知る」ことについて、「思い通りにならない時に怒る」という観点から見ていきましょう。

仏教で苦しみとは、苦しいという意味だけでなく、思い通りにならないという意味があります。思い通りにならない時に、人は苦しみの感情を抱くと考えるんですね。そして、苦しみと同時に怒りの感情が起こることもあります。

例えば、こういうことを経験したことはないでしょうか。

・思い通りに動いてくれない子どもに怒る。
・パートナーが思い通りに動いてくれなくてイライラする。
・頼みごとを聞いてくれない友人にがっかりする。

こういう経験です。

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私たちは、多かれ少なかれ、他人や未来に対して、こうあってほしいと期待しています。無意識にも、「こうしてほしい」「こうすべき」と、自分の思いや期待を相手に押し付けていることも多いものです。

そして、その思いや期待が叶わない時に、裏切られたような気持ちになったり、がっかりして怒りの感情が湧いてきます。

このように、自分がこうしたい、こうありたいという思いがまずあって、それが叶わない時、思い通りにならない時に、怒りの感情が起こってくることがあります。

こういう怒りの感情が起こる構造を理解するだけでも、人や物事に対する見方が随分と変わります。

パートナーに対して怒ってばかりだったけれど、自分が相手に望んでばかりいたのかもしれない。もっとコミュニケーションをとって、お互いの気持ちを理解しようとすれば良かったのかなとか。

子どもに対して、親の思いを押し付けるばかりで、子どもの思いに耳を傾けていなかった。「なんで言うことを聞かないの?」と、子どもを怒ることも多かったけれど、子どもの思いをもっと聞いてあげれば良かったなとか。

親や上司に対して、「理想の親であってほしい」「理想の上司であってほしい」と望み過ぎていたのかもしれない。親も上司も一人の人間だったんだなとか。

人や物事に対する見方が、随分と変わることがありますね。

仏法を学ぶことは、自分の言動を振り返る機会にもなると言われます。

仏法を通して、自分の言動を振り返りながら、思い通りにならない時に怒っていたと気付くことができたり、また、怒りの原因を自分以外のものに求めている癖に気付くことができます。そうしたことが、不必要に怒らないことにつながってくるかと思います。

いかがだったでしょうか。

今回は「不必要に怒らない三つの智慧」について、「怒りの原因を知る」ことを挙げて、お話させていただきました。その中でも、「怒りの原因を他に求める」「思い通りにならない時に怒る」といった観点から見ていきました。

是非、ご自身の経験から感じたことなどもお聞かせください。この話が、日々を安らかに過ごすようなご縁となれば幸いです。次回は「不必要に怒らない三つの智慧」の二つ目を見ていきたいと思います。


合掌
福岡県糟屋郡 信行寺(浄土真宗本願寺派)
神崎修生

▼次回の動画
【仏教に学ぶ】「不必要に怒らない三つの智慧」②思いやりの心を持つ | 信行寺 福岡県糟屋郡にある浄土真宗本願寺派のお寺 (shingyoji.jp)

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