【仏事作法解説】では、仏事や作法について知っておきたいことや、よくご質問をいただくことなどを、できるだけ分かりやすく解説しております。
今回は、「お仏壇を選ぶ際のポイント」について、解説させていただきます。
・ご家族が亡くなって、お仏壇の購入を考えておられる方。
・どんな種類のお仏壇を購入すると良いのか迷っておられる方。
・お仏壇を選ぶ際のポイントを知りたい方。
・お仏壇の購入を失敗したくない方。
こういう方におすすめの内容となっております。
今回は、「お仏壇を選ぶ際のポイント」について、特に
・お仏壇の種類
・置く場所
・大きさ
・宗派
・価格
という点から、解説させていただきます。お仏壇を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。
なお、この内容は、主に浄土真宗本願寺派、ご本山は西本願寺の内容でお話をさせていただきます。
▼動画でもご覧いただけます
お仏壇を選ぶ際に、まず知っておきたいのが「お仏壇の種類」です。お仏壇には、大きく分けて三つの種類があります。
一つ目は、「金仏壇」(きんぶつだん)です。金仏壇は、木の上から漆や金箔などが塗られたお仏壇です。
金仏壇の特徴は、その名の通り、金色に輝いたお仏壇であることです。その金色は、仏様の国である浄土の様子を表したものとも言われます。金仏壇は、浄土真宗のご家庭で用いられることの多いお仏壇でもあります。
また、各式のあるものは、職人の方が丹精を込めて作ったものですので、とても美しいです。
お仏壇の種類の二つ目は、「唐木仏壇」(からきぶつだん)です。唐木仏壇は、黒檀や紫檀などの木が使用されています。特徴は、木目の美しさをそのまま生かしているところです。木の優しさや落ち着きが感じられ、重厚感があります。
一つ目の「金仏壇」と、二つ目の「唐木仏壇」は、「伝統的なお仏壇」とも言われます。
お仏壇の種類の三つ目は、「家具調仏壇」です。家具調仏壇は、現代の家や生活にあった「現代的なお仏壇」とも言われます。特徴は、リビングなどに置いても違和感なく合うことです。
「金仏壇」「唐木仏壇」「家具調仏壇」のどれでないといけないということはないと言われます。
大切なのは、「手を合わせようという気持ちになるお仏壇」をお選びになることだと思います。
お仏壇には、大きく分けて三つの種類があることを、まず押さえておいただいて、お選びになると良いかと思います。
また、お仏壇を選ぶ際に考えておく必要があるのが、「お仏壇を置く場所」です。置く場所によっても、どのお仏壇の種類が良いか、感じ方が変わってきます。
例えば、お仏壇を和室に置くのであれば、金仏壇や唐木仏壇などの伝統的なお仏壇が合うかもしれません。また、リビングなどに置くのであれば、家具調仏壇が合うかもしれません。
このように、置く場所によっても、どのお仏壇の種類が良いか、感じ方が変わってきます。ですので、お仏壇を置く場所も、お仏壇を選ぶ際の重要なポイントとなります。
お仏壇屋さんなどに見に行く前に、お仏壇を置く場所を考えておくと良いでしょう。
補足しておくと、リビングだから金仏壇や唐木仏壇はだめということはありませんし、和室だから家具調仏壇はだめということもありません。そのあたりは、人によって好みや感性も違うことでしょう。
お仏壇の種類と置く場所とを併せて考えて、「手を合わせようという気持ちになるお仏壇」を、お選びになると良いかと思います。
また、「お仏壇をどの場所に置けば良いでしょうか」というご質問もよくいただきます。お仏壇を置く場所や方角は、こうでないといけないという決まりはありません。
お仏壇は、手が合わさりやすい場所に置くと良いです。手が合わさりやすい場所とは、例えば、先に往かれた方を偲びやすい場所や、心が安らぐ場所などです。
家の中のどの場所にお仏壇を置けば、先に往かれた方を偲びやすいだろうか。心が安らぐだろうか。
そのような視点で、置く場所を考えてみると、そのご家庭、ご自宅に合ったお仏壇の場所が決まってくるかと思います。
お仏壇の置く場所については、別の動画でもう少し詳しく解説していますので、宜しければそちらもご覧ください。
▼お仏壇の向きと配置について
また、お仏壇を選ぶ際に、「お仏壇の大きさ」も考える必要があります。
購入したお仏壇が大きすぎて入らなかったとか、小さすぎてバランスが悪かったとか。そうしたことは、できるだけないようにしたいですよね。
ですので、お仏壇を置く場所の候補が決まったら、その場所の幅や高さ、奥行きなどの寸法を測っておきましょう。
また、お仏壇屋さんに行かれる際は、置く場所の写真を撮っておくと良いです。お仏壇を置いた時にどうなるかを想像しやすくなり、選ぶ際の参考になりますし、相談もしやすくなります。
そしてまた、お仏壇には「台付き型」のものと、「上置き型」のものとがあります。
台付き型は、床に直接置けるように、お仏壇と台とが一体になったものです。また上置き型は、タンスや台や地袋などの上に置けるような、小型で低いタイプのものです。
「金仏壇」「唐木仏壇」「家具調仏壇」のそれぞれに、「台付き型」と「上置き型」のお仏壇があります。
お仏壇を置く場所によって、台付き型、上置き型のどちらが良いか、お決めになると良いでしょう。
またお仏壇は、宗派によって種類が違う場合があります。ご家庭の宗派をご存知ない場合は、ご縁のあるお寺さんなどにご確認いただいた上で、お仏壇を選ぶようにしてください。
ちなみに信行寺は、浄土真宗本願寺派、ご本山は西本願寺となります。
浄土真宗でも、浄土真宗本願寺派や真宗大谷派など、いくつかの宗派があり、それぞれにお仏壇の種類や仏具が違う場合がありますので、ご注意ください。
お仏壇を選ぶ際に、価格も気になる点かと思います。お仏壇の価格は、種類や大きさによって幅があります。
お仏壇は、毎日のように手を合わせる場所となり、数年、数十年と手を合わせていく場所となっていくことでしょう。
ですので、先ほども申しましたが、お仏壇は手を合わせようという気持ちになるものをお選びになることをお勧めします。
価格のことも気になりますが、お仏壇をいくつかご覧になって、少し長い目で見て、ずっと手を合わせていけるものかどうかを考えながら、お仏壇をお選びになると良いのではないでしょうか。
最後に、ご本尊について補足しておきます。
お仏壇には、ご本尊とお脇掛けをご安置します。ご本尊とお脇掛けは、西本願寺から正式なものが下付されていますので、是非ご本山の西本願寺からお迎えください。
ちなみに、ご本尊とはその宗派やお寺で礼拝の対象とされている中心的な仏様のことです。浄土真宗のご本尊は、阿弥陀仏という仏様です。
お仏壇は、仏様がいらっしゃる壇であることからお仏壇と言います。ですので、お仏壇には仏様であるご本尊をご安置します。
そしてお脇掛けとは、ご本尊の両脇にお掛けする掛け軸です。
ご本尊やお脇掛けが、お仏壇とセットになって売っていることもありますが、ご本尊やお脇掛けは、西本願寺から正式なものをお迎えなさってください。
その際は、ご縁のあるお寺さんにご相談していただくと良いです。お寺を通じて、ご本尊とお脇掛けをお取り寄せできる場合が多いかと思います。
ご本尊とお脇掛けについては、別の動画でも解説しておりますので、宜しければそちらもご参考になさってみてください。
▼お仏壇のご本尊と脇掛について
◆
いかがだったでしょうか。
【仏事作法解説】ということで、今回は「お仏壇を選ぶ際のポイント」について、特に
・お仏壇の種類
・置く場所
・大きさ
・宗派
・価格
という点から、解説させていただきました。お仏壇を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。
合掌
福岡県糟屋郡 信行寺(浄土真宗本願寺派)
神崎修生
南無阿弥陀仏