皆様、お焼香はどのような仕方でなさっていますか?
お通夜やご葬儀、ご法事などでお焼香をする時に、作法や回数が分からず困ったという方もおられるのではないでしょうか。
前の方の見よう見まねでおこなっているという方もおられるかもしれませんね。
そこで、今回はお焼香の作法(仕方)について解説致します。
また、お焼香の回数や、お念珠(ねんじゅ/数珠のこと)の持ち方、合掌や礼拝(らいはい)の仕方など、分かりづらい部分も丁寧に解説致します。
▼是非動画でご覧ください
ご葬儀やご法事などで、安心してお焼香をしていただけるようになれば、慌てることもなく、故人様への思いへと自然に意識が向いていくことでしょう。
是非、お焼香の仕方を覚えて、式に臨んでいただけると幸いです。
なお、お焼香は宗派によって作法が違います。
今回は、浄土真宗本願寺派(本山:西本願寺、築地本願寺)の作法を解説致します。
改めて皆さん、こんにちは。僧侶の神崎修生です。
私は、福岡県糟屋郡宇美町にある信行寺(浄土真宗本願寺派)の副住職をしています。
仏教やお寺、僧侶を身近に感じていただきたいと思い、ブログや動画の配信をさせていただいています。
さっそく、お焼香の作法(仕方)を解説致します。
お焼香には、立った状態でのお焼香と、座った状態でのお焼香、それに回し(まわし)焼香と、大きく3つの仕方がありますので、それぞれ解説致します。
お通夜やご葬儀でのお焼香は、立った状態でのお焼香が多いかと思います。
①お焼香の順番が回ってきたら、自席を立ち、お焼香台へと進みます。
②お焼香台の2、3歩手前で立ち止まり、仏様に向かい一礼(15度程度の一礼)をします。(ここでは合掌をしなくて結構です)
③一礼の後、左足からお焼香台の前まで進みます。
④抹香(まっこう/お焼香用のお香)を一つまみし、香炉(こうろ)の中の香炭(こうたん)の上に一度だけくべます。(一回のみ、額におしいただかずにおこないます)
⑤合掌し、南無阿弥陀仏(なまんだぶ・なまんだぶつ)とお念仏(ねんぶつ)を数回となえ、礼拝(らいはい/45度程度の一礼)します。
⑥合掌の手をとき、前を向いたまま、後ろへ2、3歩右足から下がります。
⑦仏様に向かい一礼(15度程度の一礼)をします。
⑧自席へ戻ります。
また、マナーとして、お焼香をする前(①と②の間)に、喪主や近親者への一礼と、導師(どうし/読経を勤める僧侶)に一礼をする場合が多いです。
そちらは斎場でのお焼香の様子に従っていただくと良いでしょう。
次に、座った状態でのお焼香について解説致します。
ご自宅でのご法事などでは、座った状態でお焼香をする場合もあられるかと思います。
①お焼香の順番が回ってきたら、自席を立ち、ご尊前(そんぜん/仏様(お仏壇)の前)へと進みます。
②ご尊前の2、3歩手前で立ち止まり、仏様に向かい一礼(15度程度の一礼)をします。(ここでは合掌をしなくて結構です)
③一礼の後、左足から前に進み、尊前に座ります。
④抹香(まっこう/お焼香用のお香)を一つまみし、香炉(こうろ)の中の香炭(こうたん)の上に一度だけくべます。(一回のみ、額におしいただかずにおこないます)
⑤合掌し、南無阿弥陀仏(なまんだぶ・なまんだぶつ)とお念仏(ねんぶつ)を数回となえ、礼拝(らいはい/45度程度の一礼)します。
⑥合掌の手をとき、立ち上がり、前を向いたまま、後ろへ2、3歩右足から下がります。
⑦仏様に向かい一礼(15度程度の一礼)をします。
⑧自席へ戻ります。
座った状態のお焼香の場合も、マナーとして、お焼香をする前(①と②の間)に、喪主や近親者への一礼と、導師(どうし/読経を勤める僧侶)に一礼をする場合が多いです。
回し(まわし)焼香は、ご自宅でのご法事などで、ご尊前(そんぜん/仏様(お仏壇)の前)でのお焼香が難しいような場合におこなうことがあります。
お盆の上に香炉(こうろ)と香盒(こうごう/抹香(まっこう)が入った入れ物)を置き、お盆を順に回してお焼香をすることから、回し焼香と言われます。(地域によって言い方が違うかもしれません)
①お盆が回ってきたら、仏様に向かい一礼(15度程度の一礼)をします。(ここでは合掌をしなくて結構です)
②抹香(まっこう/お焼香用のお香)を一つまみし、香炉(こうろ)の中の香炭(こうたん)の上に一度だけくべます。(一回のみ、額におしいただかずにおこないます)
③合掌し、南無阿弥陀仏(なまんだぶ・なまんだぶつ)とお念仏(ねんぶつ)を数回となえ、礼拝(らいはい/45度程度の一礼)します。
④合掌の手をとき、仏様に向かい一礼(15度程度の一礼)をします。
⑤次の方へお盆を回します。
全ての方のお焼香が終わったら、香盒(こうごう)の蓋(ふた)を閉じ、導師(どうし/読経を勤める僧侶)まで、お盆を戻します。
ここから、分かりづらい部分についても解説致します。
合掌の作法も、宗派によって仕方が違いますので、本願寺派の作法を解説致します。
手を合わせた両手にお念珠をかけ、親指でかるく押さえます。指は伸ばし、指の間があかないように、閉じて揃えます。
手の角度は、状態に対して45度程度です。
お念珠は、房(ふさ)の部分が下にくるようにします。両肘をはらず、胸の前で両手を合わせます。
南無阿弥陀仏(なまんだぶ・なまんだぶつ)と数回となえ、礼拝(らいはい/45度程度の一礼)をします。
合掌をときます。
合掌をしていない時は、お念珠は左手に持ちます。
お念仏とは、南無阿弥陀仏のことで、「なもあみだぶつ」や「なむあみだぶつ」と言われます。
本願寺派では、「なもあみだぶつ」と読みます。
となえる時には、「なまんだぶ」や「なまんだぶつ」ととなえられることが多いです。
本願寺派では回数にこだわりませんが、礼拝の際には、6回から10回程度となえるのが自然なように思われます。
本願寺派では、お焼香の際に鏧(きん)や鈴(りん)を打つという作法はありません。
これは、日常で手を合わせる時にも同様です。
鏧(きん)や鈴(りん)は、お経をとなえる時に用います。
多宗派のご葬儀やご法事であっても、浄土真宗本願寺派の作法でおこなっていただいて構いません。
ただし、不都合があるような場合は、状況に応じてしていただくと良いでしょう。
お焼香をする順番は、お通夜やご葬儀では、喪主、近親者、親族、参列者の順にすることが多いです。
式場での案内に従っていただければ結構です。
ご法事でも、喪主、近親者、親族の順にすることが多いです。
ご親族のご年配の方が誘導してくれることもありますから、様子を見ながら、自分の番なればスムーズにしていただくと良いでしょう。
回し焼香の場合は、喪主からはじめ、その後は座り順に回していくことが多いです。
今回は以上です。
最後までご覧いただきありがとうございます。
合掌
福岡県糟屋郡宇美町 信行寺(浄土真宗本願寺派)
神崎修生
___
更新情報は各種SNSにて配信しておりますので、宜しければ是非、「フォロー」いただけますと幸いです。
「いいね」や「コメント」もいただけますと励みになります。