花祭りの普及に取り組むお坊さんを紹介【仏教行事紹介】

この内容は、2021年4月6日におこなわれたお寺のオンライン朝会でお話したものです。

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改めて皆様、本日もようこそお参りくださいました。

「ヘルシーテンプル@オンライン」全国版ですね。本日も、150名近くの方にご参加をいただいております。いつもありがとうございます。

毎日、全国超宗派のお坊さんが日替わり、数珠つなぎで、お届けさせていただいております「ヘルシーテンプル@オンライン」。

本日は、花祭りが近いということで、花祭りについて、その中でも、花祭りの普及に取り組む3名のお坊さんについて、ご紹介をさせていただきます。

◆花祭りとは

花祭りについて、ご存じないという方もおられるかもしれませんので、先に簡単に花祭りについてお話をさせていただきます。

花祭りとは、仏教の開祖である、お釈迦様の誕生を祝う行事のことです。日本では、4月8日をお釈迦様の誕生日として、その前後にお祝いをすることが多いです。

花祭りと言ったり、灌仏会(かんぶつえ)と言ったり、宗派によって、多少呼び方が違いますが、日本全国の多くのお寺でおこなわれている行事です。

花祭りの特徴は、誕生仏(たんじょうぶつ)というお釈迦様の誕生の姿の像に甘茶をかけて、お祝いをすることです。誕生仏は、花御堂(はなみどう)という、お花で美しく飾られた小さなお堂の中に安置される場合が多いです。

また、お寺によっては、花祭りに稚児(ちご)の行列を出すところもあります。

花祭りにご参加されたい方は、各お寺によって、開催日時や、参加可能かどうかなどの対応が違いますので、近くのお寺のHPや、SNSなどで確認してみてください。

さて、このように花祭りは、全国の多くの寺院でおこなわれていますが、その中でも特に、今回は、花祭りの普及に取り組む3名のお坊さんについて、ご紹介をさせていただきます。

 

◆吉田武士さん:4月8日はカレーを食べよう

お一人目は、カレー坊主の愛称をもつ吉田武士(よしだぶし)さんです。

https://twitter.com/curry_boz?s=20

吉田武士(よしだぶし)さんは、もともとはお寺のご出身ではないのですが、お坊さんになられ、長崎の浄土宗のお寺で僧侶としてお勤めをなさっておられます。

武士さんは、花祭りをもっと親しんでもらえるようにと、カレーを食べ物のシンボルとして定めたらいいのではないかと考えられたそうです。そして、「#4月8日はカレーを食べよう」と呼びかけておられます。

 

催しものに飲食はつきものですね。

花祭りとカレーとを紐づけ、定着していくと、カレーを食べる時には、仏教やお釈迦様のことが思い浮かんだり、4月になったらカレーを食べたいと思うようにもなるかもしれません。

仏教もカレーもインドという共通点があり、こうしたキャッチ―な切り口での取り組みが、武士さんの個性が溢れていて素晴らしいなあと思います。

また、武士さんは、仏教とカレー好きが高じて、「仏教カレー協会」まで立ち上げられたり、「ほとけさまのやさしい精進カレー」というカレーをつくって発売までされております。

今年は、3,000食分限定でつくられ、発売からすぐ完売したようです。

4月8日は、是非カレーを食べて、是非お釈迦様の誕生をお祝いしてみてはいかがでしょうか。

 

◆中村建岳さん:街頭でのPR活動

お二人目は、愛知県にある臨済宗妙心寺派 永正寺のお坊さん 中村建岳(なかむらけんがく)さんです。

https://www.youtube.com/channel/UCXp34MFsrViBXt7X_-UdcjA

建岳さんは、毎年4月に複数名のお坊さんと共に、名古屋の街頭で花祭りを普及するのためのPR活動をおこなわれています。

「4月8日は、四苦八苦を癒すお釈迦様の誕生日」と題して、街中でガーベラなどの癒されるものを配布するなどして、花祭りの普及につとめてこられました。

近年では、カレー坊主の吉田さんと同様に、花祭りに食べ物もかけ合わせて、打ち出しておられます。

中村さんの場合は、「仏のケーキ」ということで、「花祭りには、ホットケーキを」と、全国のお寺に呼び掛けておられます。

ちなみに、写真尾ように、私も中村さんの活動を伺って、お寺での花祭りにはホットケーキをお出しするようにしています。

そして意外に、ホットケーキと甘茶が、結構合うんですね。

甘茶を飲むことで、ホットケーキの甘味が口の中で膨らんで、しかも後味が爽やかになるという、とても相性抜群の食べ合わせでした。

建岳さんは、今年はコロナの影響もあり、街頭でのPR活動はおこなわれないかもしれませんが、皆様も4月8日には、主食はカレーを召し上がって、おやつにホットケーキをいただいてみてはいかがでしょうか。

 

◆松崎智海さん:バズった花祭り

三人目は、福岡県にある浄土真宗本願寺派 永明寺のお坊さんである松崎智海(まつざきちかい)さんです。

https://twitter.com/matsuzakichikai?s=20

智海さんは、昨年の4月、コロナ禍で花祭りに参拝できない方も多くおられるかもしれないということで、Twitterの花祭りの投稿のリツイート分、住職が代わりにお釈迦様の像に甘茶をおかけしますと呼びかけられました。

4月8日正午までという期間限定でのリツイートカウントにも関わらず、結果、3万2551ものリツイートが集まりました。あまりの数に、一日では甘茶かけが終わらないほどで、近隣のお坊さんもこられて、両手遣いで甘茶をかけておられました。

二日にわたっておこなわれた甘茶かけの様子は、Youtubeでライブ配信をされ、多くの方がご覧になっておられました。

私も配信をみていたのですが、かけてもかけても中々終わらないものですから、「軽い気持ちでリツイートしてすみません」というコメントも多く、それがまた面白くて、エンタメを見ているようでした。

しかし、面白いというだけでなく、甘茶をかけながら智海さんが仏教の話をされたりして、それがとても素晴らしく、こういう形での仏教と生活者との接続の仕方、仏縁の紡ぎ方があるのだなあと、とても勉強になりました。

智海さんのTwitterを見ていると、今年はどうしようかと迷っておられる様子ですが、もし今年も甘茶かけをおこなわれるようでしたら、是非リツイートやYoutubeをご覧いただき、リモートでの甘茶かけもお楽しみいただければと思います。(今年もおこなわれるそうです)

ちなみに智海さんですが、先日『だれでも分かるゆる仏教入門』という本をご出版されました。

https://amzn.to/39P2hJ2

ヘルシーテンプルの井上広法さん等も、一部を担当されているようですので、ご関心がある方は、是非お手に取ってみてください。

いかがだったでしょうか。

本日は、花祭りについて、中でも、花祭りの普及に取り組む3名のお坊さん、吉田武士さん、中村建岳さん、松崎智海さんの取り組みについて、ご紹介させていただきました。

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最後までご覧いただきありがとうございます。合掌

福岡県糟屋郡宇美町 信行寺(浄土真宗本願寺派)

神崎修生

▼花祭りについて解説

花祭りとは。お釈迦様の誕生を祝う花祭り(灌仏会)について解説します | 信行寺 福岡県糟屋郡にある浄土真宗本願寺派のお寺 (shingyoji.jp)

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