今回から、「ブッダに学ぶ 心が軽くなる生き方・考え方」というシリーズで、何回かにわたりお話をしてみたいと思います。
現代は、ストレスや悩みを抱えて生きておられる方が多いのではないでしょうか。
かくいう私も、そんな現代人の一人です。
仏教を学ぶと、ブッダ(お釈迦様)の教えが、そうした現代の私たちが抱えるストレスや悩みを和らげるうえで、とても有効的であることが見えてきます。
第一回目の今回は、「ムダな反応をしない」というテーマでお話してまいります。
なお、私は浄土真宗の僧侶ではありますが、このシリーズでは、仏教の原点であるブッダの教えを、現代の私たちに引き寄せながら、皆様とご一緒に味わっていけたらと思います。
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◆すべての悩みは心の反応から始まっている

人はそれぞれ、大なり小なり、悩みを抱えて生きています。
・先のことが不安。
・仕事のこと、家族のこと、病気のことで悩みが尽きない。
・人間関係がうまくいかない。
・日々の生活に追われて余裕がない。
一見、悩みがなさそうに見える人でも、人には言わないだけで、悩みがまったくないという方は、ほとんどいないのではないでしょうか。
人が生きていくかぎり、悩みは尽きません。
ただ、ブッダの教えに照らしてみると、これらの「悩みをつくりだしているものには共通点がある」ことが見えてきます。
そして、そのことを正しく理解することで悩みは解消されていくことを、ブッダは教えてくれています。
では、悩みをつくりだしているものとは、いったい何でしょうか。
それは、「すべての悩みは心の反応から始まっている」ということです。
僧侶の草薙龍瞬(くさなぎ りゅうしゅん)さんは、このことを著書『反応しない練習』の中で、分かりやすく示されています。
そして、ムダな反応をしないことで、悩みを増やさず、心軽やかに、より自由に生きていける道があることを、ブッダの教えを通して伝えておられます。
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ブッダの言葉に、このようなものがあります。
ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも汚れた心で話したり行なったりするならば、苦しみはその人につき従う。車をひく(牛の)足跡に車輪がついて行くように。
私たちの悩みは、出来事そのものによって生まれるのではなく、それに対する心の反応によって生まれている。
すべての悩みは心の反応から始まっている。
悩みがある人にとって、この考え方が参考になるという方もおられるのではないでしょうか。
◆ムダな反応をしないことで心が軽くなる

・仕事や生活の環境が変わるとき不安を感じる。
・職場の上司や家族の言動にストレスを感じる。
・人と比較して自分はダメだと思ってしまう。
これらはすべて、心の反応です。
心の反応によって、不安やストレス、劣等感といった悩みが生まれているのです。
考えてみると、同じ出来事に遭遇したとしても、反応の仕方は人によって違います。
よかったと思う人もいれば、最悪だと思う人もいます。
人の言動に対してあまり気にとめない人もいれば、憤慨する人もいます。
感じ方は人それぞれであるということは、「私たちの悩みは、出来事そのものではなく、心の反応によってつくりだされている」ことが分かります。

そしてさらに、反応を重ねることで、怒りや不安などは増幅されていきます。
・パートナーの言動を思い出して、怒りが増幅されていく。
・親から言われた心ない言葉を何度も思い出して、心の傷が深まっていく。
・メッセージを送ったのに返信がなく、何かあったのではないだろうか、嫌われたのではないだろうかと不安が増幅していく。
このように、反応を重ねることで、怒りや不安は、実際以上に大きくなっていきます。
ですから、怒りや不安を増幅させないためにも、それ以上、必要のない反応をしないことが重要になります。

ムダな反応をしないことで、
・不安が少なくなる。
・劣等感を感じにくくなる。
・人間関係での悩みが減る。
そうなると、心はずいぶん軽くなるのではないでしょうか。
日々の生活の中で、怒りや不安、劣等感といった感情がわきおこってきたとき、「今、自分の心が反応している」と、心の反応に目を向けてみてください。
そして、「これ以上、ムダな反応はしないようにしよう」と心がけてみてください。
すると少しずつ、怒りや不安にとらわれにくくなり、悩みや苦しみが解消されていくことを、ブッダは教えてくれています。
◆ムダな反応をしないとは

そもそも心というものは、何かを見たり聞いたりすれば、自然に反応してしまうものです。
嫌なことがあれば腹が立ち、不安なことがあれば心配になることは自然なことです。
では、ムダな反応をしないとは、どういうことでしょうか。
無視したり、無関心や無感動になることなのでしょうか。
そうではありません。
「ムダな反応をしない」とは、「様々な出来事に対して、心が過剰に反応して振り回されないようにすること」です。
例えば、自分の側に非がないのに、相手が心ない言葉を投げかけてきたとします。
自分は悪くないのに、相手が一方的に暴言をあびせてくるようなときですね。
そのとき、カッとなって怒りで反応してしまうと、怒りの応酬となり、自分自身の心も怒りにとらわれてしまいます。
逆に、相手の言葉を受けとめすぎると、「自分が悪かったのだろうか」と、自分自身を傷つけてしまうことにもつながります。
ですから、相手の言葉をそのまま真に受けないことも大切です。
ここまでのブッダの教えに学ぶならば、「ムダな反応をしない」ということです。
ムダな反応をしないことで、怒りなどの感情にとらわれずにすみます。
一日中、怒りで頭がいっぱいになってしまったら、もったいないですよね。
ブッダはあるとき、弟子たちなどの多くの人々がいる前で、とあるバラモン(司祭者)から汚い言葉で罵られたことがあったそうです。
しかしブッダは、そのバラモンの行為に対して、怒りで反応することはありませんでした。
人によっては、「なんだこの人は、けしからん」「弟子たちの前で恥をかかされた」と怒るような場面ですが、ブッダはそうしませんでした。
「私はあなたの言葉を受け取らない。そのまま帰りなさい」とブッダは静かに語り、対応したといいます。
ブッダの言葉に、このようなものがあります。
怒りを捨てよ。慢心を除き去れ。いかなる束縛をも超えよ。名と形とにこだわらず、執着しない人には、苦しみはついてこない。
自分の側に非があるときは、もちろん謝ったり、反省することは大切です。
しかし、そうではない場合、相手の言葉に対して必要以上に反応してしまうことは、自分自身の苦しみを増やしてしまうことにもなります。
相手の言葉は相手のものとして、必要以上に心の中で反応をしない。
そのように、ムダな反応をしないよう心がけることで、私たちは、怒りや不安にとらわれにくくなります。
そして、悩みや苦しみが解消されていくことを、ブッダは教えてくれています。
しかし、頭では分かっていても、私たちはつい反応してしまうものです。
ムダな反応をしないとは、実際にはどのようにすればよいのでしょうか。
その具体的な方法について、次回もブッダの教えから学んでみたいと思います。
◆まとめ
最後に、今回の内容を振り返ってみましょう。
・悩みをつくりだしているものには共通点がある。
・すべての悩みは心の反応から始まっている。
・悩みは、出来事そのものではなく、心の反応によってつくりだされている。
・反応を重ねることで、怒りや不安などは増幅されていく。
・日々の生活の中で、これ以上、ムダな反応はしないようにと心がけてみる。
・ムダな反応をしないとは、様々な出来事に対して、心が過剰に反応して振り回されないようにすること。
・ムダな反応をしないことで、怒りや不安にとらわれにくくなり、悩みや苦しみが解消されていく。
今回は、「ムダな反応をしない」というテーマでお話しました。
合掌
福岡県糟屋郡 信行寺(浄土真宗本願寺派)
神崎修生
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