【幸せを育む時間】幸せのメカニズム(後編)【前野隆司教授の著書を紹介】

人生や幸せについて考えるご縁となるような本をご紹介しております。今回は、幸福学の権威である前野隆司教授の著書、『幸せのメカニズム』という本をご紹介させていただきます。

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◆地位財と非地位財

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さて前回、幸福学の権威である前野隆司教授の著書、『幸せのメカニズム』という本をご紹介させていただきました。今回はその後編です。

前回お話したのが、地位財と非地位財についてでした。地位財とは、お金や物や地位など、人と比較して満足を得るようなタイプのものです。地位財による幸せは長続きしないものと言われます。

そして、非地位財とは健康や安心、心の幸せなど、人との比較は関係なく幸せが得られるようなタイプのものです。非地位財による幸せは長続きするものだと言います。

その非地位財の心の幸せに関連する部分について分析し、導き出したものが、今日ご紹介する「幸せの四つの因子」です。

◆幸せの四つの因子

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「幸せの四つの因子」とは、幸せに関するアンケート調査をもとに、現代の日本人の幸せにむすびつく要因を求めたものだそうです。「幸せの四つの因子」をあげると、このような内容です。

・第一因子は、やってみよう因子。
・第二因子は、ありがとう因子。
・第三因子は、なんとかなる因子。
・第四因子は、ありのままに因子。

この「幸せの四つの因子」を満たしていくことで、幸せになっていくということ。そして、幸せだからこれらの因子が満たされているということ。その両面性があるそうですが、この本では、この「幸せの四つの因子」を実践し、幸せの好循環のループをつくることを推奨されています。

幸せとは何かというと、それぞれにイメージをもっているとは思いますが、人それぞれに違い、どうしたら幸せになれるのかが分かりづらいことが課題でしょう。その分かりづらい、幸せのメカニズムを明らかにして、実践できるようにしたことが、前野先生の研究の特徴のように思います。

それでは、「幸せの四つの因子」について、一つずつ見てみましょう。

◆やってみよう因子

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第一因子は、やってみよう因子で、自己実現と成長の因子です。自己実現と成長というと、「目標を持ち、頑張って、競争に勝とう」というような、勝ち組になるような印象を持つかもしれませんが、そうしたものではないそうです。

お金とか物とか、地位といった地位財を目指すのではなく、それぞれらしい何かを見つけることだと前野先生は言われています。それぞれのやりかたで、小さくてもいいから自分らしさを見つけ、個性を活かして、社会の中で自分らしく生きていくようなあり方。そうしたことが、幸せにつながると言います。

これが、第一因子のやってみよう因子(自己実現と成長の因子)です。

◆ありがとう因子

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第二因子は、ありがとう因子で、つながりと感謝の因子です。つながりと感謝を満たしていくことが、幸せにつながると言います。

つながりに関して、本には興味深い調査結果が紹介されています。友達が多いかどうかは、幸せにはあまり関係がなく、多様な友達がいることは幸せと関係があるそうです。

仕事のつながりや、地域のつながりだけでなく、色々な職業、年齢、性格、国籍など、多様な人と親密になり、接点があることは幸せにつながるそうです。

また、社会貢献活動をしている人や、社会貢献をしたいと思っている人は、したくないという人に比べて幸福度が高いという調査もあるそうです。社会や地域や身の回りの人のためという利他の思いをもち、活動することが幸せにつながる。そしてその活動を通して、多様なつながりが生まれ、感謝も育まれるように思います。

社会貢献というと大げさに聞こえるかもしれませんが、身近なところからできることをする。それが自らや周りの人の幸せにつながる。そういうふうに考えると実践しやすいですね。

◆なんとかなる因子

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第三因子は、なんとかなる因子で、前向きと楽観の因子です。前向きさや楽観性があると、幸福度は高いというのは理解しやすいですね。

しかし、前向きさや楽観性は、遺伝の要因もあるでしょう。前野先生は、人格特性や主観的幸福の50%程度は、先天的に遺伝によって決まっているという研究結果を、この本に一例として挙げておられます。

では、生まれつき幸福感を感じにくい気質の人は幸せにはなれないのでしょうか。前野先生は、ご自身の経験からそうではないと言っておられます。

前野先生自身、高校生くらいまで、極端なくらい、引っ込み思案で、内気な少年だったそうです。内向的、悲観的、神経質で、いじめられた時期もあったと言います。しかし、大学生で上京をし、明るく積極的になろう、自分を変えようと決心したそうです。積極的に活動し、色々なことを経験したことで、経験が人を変えることを実感されたと言います。

日常生活に支障をきたすような精神疾患などの場合は、治療が必要な場合もあるかとは思います。

他にも、前向きさや楽観性を身につけるための工夫として、自分を客観的に見つめるメタ認知のことや、年齢と楽観性の関係、笑顔になると楽しくなるといったことを、研究に基づきながら書かれています。

そして、前向きな会話を心掛け、悪口、陰口、愚痴は言わないようにするなどの工夫も書かれています。

◆ありのままに因子

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第四因子は、ありのままに因子で、独立と自分らしさの因子です。ありのままにということは、人の目を気にしないということでもありますね。

日本の場合、人の目を気にする傾向が強く、調和や協調を重んじる文化があります。調和や協調性があった方がいい場合もありますので、適度に人からどう見られるかということも意識しつつ、過度には人の目を気にしないようにするということがよさそうです。

人の目を気にしない人は、人との比較によって得られるお金、物、名誉といった地位財を目指さない傾向があり、それによって非地位財という持続する幸せを手に入れている確立が高いのかもしれません。また、幸せな人は満ち足りているので、自分のやり方に自信があり、結果として人の目が気にならなくなるのかもしれません。

前野先生は、おそらくその両方であると言われ、人の目を気にしないことが幸せにつながり、幸せの実感が人の目を気にしないことにつながるのではないかと言われています。幸せの好循環のループですね。

では人の目を気にしないためには、どうしたらよいのでしょうか。前野先生は、自分らしくいる時と、周りに合わせる時とをメタ認知で客観視して判断したり、今を満喫するように心がけたり、自分のないといけないと思うものを日常生活から引き算して生活してみることなどを、例として挙げておられます。ご関心がある方は、是非本を読んでいただければと思います。

◆幸せの好循環のループ

いかがだったでしょうか。今回は、「幸せの四つの因子」について見てきました。「幸せの四つの因子」とは、やってみよう、ありがとう、なんとかなる、ありのままにの四つの因子でした。

お金や物や名誉などの地位財という誤った幸せのループに陥ることなく、また、人と比較し悲観的に、孤独に生きるような不幸せの悪循環をループするのでもなく、幸せのメカニズムをきちんと理解し、「幸せの四つの因子」を実践することにより、自らも周りの人も幸せにしていく、幸せの好循環のループを築けるのではないか。そうした思いから書かれたのが『幸せのメカニズム』という本でした。

「幸せの四つの因子」をツールとして使いながら、自らが幸せに、そして周りの人へと幸せが伝わり、世界中の人が幸せを感じる平和な世界が実現しますように。そのような前野先生の思いがこもった『幸せのメカニズム』を、今回はご紹介させていただきました。

関心を持たれた方は、これらのことが詳しく、でも分かりやすく書いてありますので、この本をお読みいただければと思います。

【前野隆司氏著書】

▼『幸せのメカニズム』
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