【仏教ひとくち法話】#006 コロナの年を仏教で振り返る

こちらの内容は、2020年12月15日に開催したヘルシーテンプル@オンラインでの法話を文字お越ししたものです。

▼動画でもご覧いただけます

ヘルシーテンプル@オンラインの全国版。
本日も150名程の方にご参加をいただいております。

幸せを育む法話の時間というで、ご参加者の皆様とご一緒に、人生や幸せについて考えさせていただきたいと思います。

今年も残りわずかになってまいりました。それぞれに色々なことが変化した一年だったのではないかと思います。何といっても今年は、新型コロナウイルスの年でしたね。

これまで当たり前にできていたことが、当たり前にできなくなった。当たり前のように過ごしていた日常が、当たり前ではなくなった。当たり前が当たり前ではないことに気付かされた一年だったように思います。

いくつかの都市では、緊急事態宣言というものを経験しました。

会社に出勤するという日常、オフィスで同僚と仕事をするという光景が、当たり前ではないことに気付かされました。リモートワークという言葉が定着しましたね。

学校の一斉休校や、店舗の営業自粛もありました。子どもの笑い声や、行き交う人々の足音が、街から消えました。映画で見るゴーストタウンとは、このようなものかと感じたこともありました。

友人と誘い合って、食事に行くことも難しくなりました。自分が感染することと同時に、感染させてしまう可能性があることも考えると、誘ったら迷惑なんじゃないかと思ってしまいます。

旅行、映画、イベントなど、本当はしたいと思うことが、思うようにできませんでした。これほど自粛という言葉を聞いた年はありません。

諸行無常。全てのものが変化していく。そして、一切皆苦(いっさいかいく)。あらゆるものが思い通りにならない。お釈迦様が語られた、こうした世の中の真理、現実を、まざまざと感じた一年でした。

全てのものが変化していく、あらゆるものが思い通りにならない。こうしたことは、それぞれのライフステージの中で、いわゆる人生の節目において、それぞれが個人的に感じていたものでした。

どういうことか。

生老病死(しょうろうびょうし)。この世に生まれ、歳を重ね、病気になり、亡くなっていく。

こうした人生の節目節目で、自分も含めた色々なものが移り変わっていき、思い通りにならないこともあることを、それぞれが個人的に経験していたのだと思います。

それが、今回の新型コロナウイルスによって、全人類が同時に、諸行無常、一切皆苦を感じられていることが、非常に貴重な機会になっているのだと思います。

生老病死のこの人生、人として誕生し、成長とともにできることが増え、人生を自らの足で歩いていこうとするところから始まっていきます。しかし、歳を重ね、老いや病を経験し、自らの足で歩くことがおぼつかなっていく。

遠くを見て、全速力で駆け抜けた若かりし日々から、転ばないように足元を見て、自分のペースで人生を歩いていくようになる。

これまで通りに歩けない、自分だけでは歩けない、そうした自分の足元や身の回りのことに目が向いていき始めた時に、多くの支えや恩に気付かされ、感謝していくことがあるのかなと、色々な方の人生の物語を聞かせていただきながら感じています。

諸法無我(しょほうむが)。様々なものが単独では存在していない。自分でこの人生を歩いているという実感の人生から、多くの支え合いや思い合い、ご縁によって、生かされているいのちだったんだという気付きと共に、そして人生が開けてくる。

あらゆるものがつながっている。その実感が、一つ一つのご縁を大切にし、感謝しながら生きていくことになっていくのだと思います。

涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)。煩悩の執着から離れた安らかで穏やかな、安穏(あんのん)の境地を仏教では目指しています。

・さて、人生において大切なものは何でしょうか。
・なぜこの世に人として生まれてきたのでしょうか。
・人として歩むとはどういうことでしょうか。
・人になっていくということはどういうことでしょうか。

自分を満たすことは大切だけれども、自分が良ければ良いという生き方では幸せになれない。このことは、人類が長年の歴史の中で発見し、紡いできた智慧といえます。

自利利他円満。自らのために、そして人のために。自らのためになすことが人のためとなり、人のためになすことが自らのためになる。そんな生き方はできるでしょうか。

これまで当たり前であったことが、当たり前ではないと気付かされる時に、多くのことを考えさせられます。今回の新型コロナウイルスは、諸行無常、一切皆苦といった、あらゆるものが変化し、思い通りにならないことがある人生であることを、個人的だけでなく、全人類として同時に感じているという非常に貴重な経験をしています。

それと同時に、諸法無我、涅槃寂静といった、つながりの大切さや人生の本当に大切なものについて、全人類が同時に考えることのことのできるタイミングにあります。

さて、皆さんにとって、どんな一年だったでしょうか。そして改めて、皆さんにとって大切なもの、大切にしていきたいものは何でしょうか。

スライド1

この後、チャットを使いながら、皆様のご意見も伺いつつ、ご一緒に考えてまいりたいと思います。

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最後までご覧いただきありがとうございます。

合掌
福岡県糟屋郡宇美町 信行寺(浄土真宗本願寺派)
神崎修生

【仏教ひとくち法話】シリーズ

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