生きている実感と人生が豊かになる習慣

皆さん、こんにちは。僧侶の神崎修生です。

本日は、「生きている実感と人生が豊かになる習慣」というお話をさせていただきます。

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結論から言いますと、「生きている実感と人生が豊かになる習慣」とは、いくつかありますが、今回は「今ここに意識を向けていくこと」について、お話をさせていただきます。


日常生活がどんどんと過ぎていき、1週間があっという間で、もう1ヶ月たった、もう1年たった、気付いてみれば、あれから5年、10年、20年もたっている、というように感じられることはないでしょうか?


私は、本当に日々が早く感じます。意識していないと、日常が流れるように過ぎていきます。

そこで、今ここに意識を向けて生きていくことは、とても重要なことだと思います。今ここに意識を向けることで、生きている実感もより感じられますし、人生が豊かに感じられます。

今ここを生きている

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仏教の開祖であるお釈迦様(ブッダ)の言葉に、このようなものがあります。

過去を追うことのないように。
未来にとらわれることのないように。

過去は、既に過ぎ去ったものである。
未来は、未だ来ていないものである。

であるから、今ここにあるものを、
今ここにおいてよく観察すべきである。

「一夜賢者の偈」(意訳)

我々は、今ここを生きています。

過去や未来は、その言葉の通り、過ぎ去ったものと、未だ来ていないものなんですよね。ですが、我々は身体は今ここにありながら、意識が過去にいったり、未来にいったり、あっちやこっちへいっています。

過去のことが頭をよぎったり、失敗をずっと後悔したり、様々なニュースを目にしては、将来に不安を感じたり。我々は、将来や過去にばかり意識が向いて、それにアップアップして、今を生きていないことがあります。

また、ご飯を食べていても、SNSで連絡が来ていないだろうかとか、仕事のことが気になったり、心がここにあらずということもあるかと思います。

身体は、今ここにありながら、今ここを生きていないことって、我々は結構あるんですね。


今をここを生きていないとは、今ここを生きていることへの実感がないということです。生きていることの実感が薄れるということは、人生の豊かさを感じられずに、喜びや感動も薄くなってしまいます。


今ここに意識を向けていくことは、今を生きていることを実感していく上で、また、人生が豊かに感じられる上で、とても大切な習慣になります。


例えば、食事の時に、少しだけでも、今ここに意識を向けてみるのはどうでしょうか。スマホやテレビを見ながらとか、家族と話しながら食事をとる時もありますよね。ですが、一瞬だけでも、食べるという行為や食べ物自体に意識を向けてみてはどうでしょうか。

そうすると、食べ物の味の豊かさや複雑性が感じられたり、場合によっては、料理を作ってくれた方への感謝もわいてくるんですね。それだけで、すごく贅沢で豊かな時間になります。

お腹がものすごく減っている時は、食べ物が美味しく感じられますよね。それって、お腹が減っているから、必然的に、食べるという行為や食べ物に意識が向いているのだと思います。また、外食で、いつもより値段の高いご飯を食べる時は、しっかり味わって食べたりしますよね。


そういえば、大腸癌になった方が、思うように食事がとれなくなって、何も気にせず食べていたことや、食事が美味しいと思えていたことが懐かしいとおっしゃっていました。最後の晩餐とはいかなくても、一瞬だけでも味わって食べてみるということで、その食事の時間がとても豊かなものになるはずです。

その積み重ねが、生きている実感や、人生を豊かにもしてくれます。代表的なものは、呼吸に意識を向けていくものでしょう。


今ここに意識を向けていくことで、生きている実感がより感じられたり、人生がより豊かに感じられるようになります。

朝の空気がとても美味しく感じられたり、穏やかな日常や心の平安が、とても大切なものに感じられるようにもなるかと思います。

また、人の心遣いにこれまでより気付くようになったり、感謝の気持ちや喜びの心が深まったり、つながりを感じることもあるでしょう。


今回は、今ここに意識を向けていく習慣をもつことで、今を生きている実感や、人生がより豊かに感じられるようになるというお話をさせていただきました。


最後までご覧いただき、ありがとうございました。

合掌


浄土真宗本願寺派 教證山信行寺

神崎修生

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